【思い込みのからくり】第1回:気づかない思い込みが未来を決めている

【思い込みのからくり】第1回:気づかない思い込みが未来を決めている
「どうして私は、いつも同じことで悩むのだろう」
「変わりたい」と思っているのに、なぜか同じような選択をしてしまう。「今度こそ違う選択をしよう」と思っているのに、気がつけば、また同じところで悩んでいる。
そんなことはありませんか。
それは、意志が弱いからでも、努力が足りないからでもないのかもしれません。
もしかすると、あなたの中にある「思い込み」が、知らないうちに選択を決めているのかもしれません。
思い込みは、いつの間にか生まれている
私たちは、生まれてから今日まで、たくさんの言葉や経験を受け取ってきました。
親から言われたこと。学校で教えられたこと。周りの人から聞いたこと。自分自身の成功や失敗。嬉しかったこと、傷ついたこと。
そうしたものが少しずつ積み重なって、「これは、こういうもの」「私は、こういう人」「普通は、こうするもの」という、自分なりの判断基準が作られていきます。
それは、特別なことではありません。
むしろ私たちは、過去の経験をもとに物事を素早く判断できるようにできています。
だからこそ問題になるのは、その判断が「今の自分」にも本当に必要なのかということです。
「当たり前」の中に、思い込みが隠れている
例えば、「仕事は我慢して続けるもの」「人に迷惑をかけてはいけない」「もう、この年齢だから無理」「ちゃんとした人は、弱音を吐かない」「嫌われないようにしなければいけない」「お金は苦労して稼ぐもの」。
そんな考えを、私たちはいつの間にか持っていることがあります。
そして、それを「思い込み」だとは思わず、「常識」や「当たり前」だと受け止めていることもあります。
ここに、アンコンシャスバイアスという考え方があります。
アンコンシャスバイアスとは、簡単に言えば「無意識の思い込み」のこと。自分では意識していなくても、物事の見方や人との関わり方、そして自分自身の選択に影響を与えていることがあります。
思い込みは、あなたを守ってきた
ここで、一つ大切なことがあります。
思い込みを、すべて悪いものだと考えなくていいということです。
なぜなら、その思い込みが、かつてのあなたを守ってくれたこともあるからです。
人間関係で深く傷ついた経験があれば、「人を簡単に信用してはいけない」と思うようになるかもしれません。
仕事で失敗した経験があれば、「新しいことには慎重になったほうがいい」と思うかもしれません。
誰かに否定された経験があれば、「目立たないほうが安全」と思うこともあるでしょう。
そのときの自分にとっては、それが必要な考え方だったのかもしれません。
だから、思い込みを見つけたときは責めるのではなく、「私は、こう考えるようになったんだな」と、まず気づいてあげる。
そこから始めてみましょう。
その思い込みは、今のあなたにも必要ですか
ここで、一つ問いかけてみてください。
「この考えは、本当に今の私にも必要だろうか」
過去の自分には必要だった。でも、今の自分には、もう必要ではない。
そんな考え方も、きっとあります。
例えば、「失敗してはいけない」という思い込みがあれば、新しいことに挑戦する前に諦めてしまうかもしれません。
「人に迷惑をかけてはいけない」と思い続けていれば、誰かに助けを求めることが苦手になるかもしれません。
「もう遅い」と思っているなら、それを決めているのは一体誰なのでしょう。
年齢でしょうか。世間でしょうか。それとも、自分自身でしょうか。
未来を変える前に、見方を変えてみる
人生を変えようと思ったとき、私たちは「何をすればいいのか」を考えます。
新しいことを始める。環境を変える。仕事を変える。付き合う人を変える。行動を変える。
もちろん、行動することは大切です。
でも、その前に一度立ち止まって、自分の中にある「ものの見方」を見つめてみることも大切です。
なぜなら、考え方が変わらないまま環境だけを変えても、似たような悩みを繰り返してしまうことがあるからです。
「私は、なぜそう思ったのだろう」
「なぜ、それを選んだのだろう」
「なぜ、それ以外の選択肢を考えなかったのだろう」
そうやって、自分の中にある「前提」を一つずつ見つけていく。
それだけでも、今まで見えていなかった選択肢が見えてくることがあります。
「本当にそうしたい?」と、自分に聞いてみる
何かを選ぶとき、少しだけ立ち止まってみてください。
「私は、本当にそうしたいの?」
それとも、
「そうするべきだと思っているの?」
この二つは、似ているようで、まったく違います。
「やりたい」のか。「やらなければいけない」のか。
「好きだから選んでいる」のか。「嫌われたくないから選んでいる」のか。
「自分に合っているから続けている」のか。「途中でやめたら負けだと思っているから続けている」のか。
問いかけてみるだけでも、自分の選択を少し客観的に見られるようになります。
思い込みをなくすことが、目的ではない
思い込みは、無理になくさなくてもいいのです。
大切なのは、「自分には、こういう思い込みがある」と知ること。
そして、そのうえで「私は、この考えを選ぶ」と決められることです。
無意識に決められていた人生から、自分で選ぶ人生へ。
そのための最初の一歩は、「私は、何を当たり前だと思っているんだろう」と問いかけることなのかもしれません。
思い込みに気づくと、未来の選択肢が増えていく
あなたの中には、どんな「当たり前」がありますか。
そして、その「当たり前」は、今のあなたを幸せにしてくれているでしょうか。
10月は、「思い込みのからくり」を一つずつ紐解いていきます。
気づかなかった心の仕組みを知ることで、これまでとは違う見方ができるようになるかもしれません。
見方が変われば、選択が変わる。選択が変われば、少しずつ未来も変わっていく。
まずは今日、自分の中にある「当たり前」を一つ見つけてみるところから始めてみましょう。
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