【切替の法則】5回目:言葉の切り替え――自分にかける言葉を変えてみる

【切替の法則】言葉の切り替え――自分にかける言葉を変えてみる
「私には無理」
「どうせうまくいかない」
「また失敗した」
「私ってダメだな」
そんな言葉を、自分自身にかけていませんか?
誰かに言われたら傷つくような言葉でも、自分には平気で言ってしまう。
そんなことは、意外と少なくありません。
私たちは一日の中で、誰かと話している時間だけではなく、自分自身ともたくさん会話をしています。
声に出していなくても、
「どうしよう」
「失敗したらどうしよう」
「もっと頑張らなきゃ」
「私にはできない」
と、心の中で言葉を交わしています。
その言葉が少し変わるだけで、気持ちの持ち方や、その後の行動も変わっていくことがあります。
9月のテーマ「切替の法則」。
今回は、自分にかける「言葉」を切り替えることについて考えてみたいと思います。
自分に一番近くで言葉をかけているのは、自分
私たちは、誰かからかけられた言葉には敏感です。
「頑張っているね」
と言われると嬉しくなる。
「大丈夫だよ」
と言われると、少し安心する。
反対に、
「そんなこともできないの?」
と言われれば、傷つくこともあります。
では、自分自身からかけられている言葉はどうでしょう。
「なんでこんなこともできないんだろう」
「またダメだった」
「私には才能がない」
「もっと頑張らないと」
もし誰かに毎日こんな言葉をかけられたら、少し疲れてしまうかもしれません。
でも、自分には同じような言葉をかけてしまうことがあります。
だからこそ、一度見直してみたいのです。
「私は、自分にどんな言葉をかけているだろう?」
と。
言葉を変えることは、自分を甘やかすことではない
「自分に優しい言葉をかけましょう」
と言うと、
「そんなに自分を甘やかしていいの?」
と思う人もいるかもしれません。
でも、自分に優しくすることと、自分に甘くすることは同じではありません。
たとえば、仕事で失敗したとき。
「私って本当にダメだな」
と決めつけるのではなく、
「今回はうまくいかなかった」
と言ってみる。
この二つは、似ているようで大きく違います。
「私はダメ」
と言うと、自分自身を否定する言葉になります。
でも、
「今回はうまくいかなかった」
なら、その出来事だけを見ています。
そして、
「じゃあ、次はどうしたらいいだろう?」
と考えることができます。
自分を責める言葉から、
自分を前に進める言葉へ。
それも「切替」です。
「できない」を「どうすれば?」に変えてみる
何か新しいことを始めようとしたとき、
「私にはできない」
と思うことがあります。
もちろん、本当に今の自分には難しいこともあるでしょう。
でも、
「できない」
で思考を止めてしまうと、そこで可能性も止まってしまいます。
そんなときは、
「どうすれば少し近づける?」
と問いかけてみる。
「一人では難しいなら、誰かに聞いてみよう」
「今すぐは無理なら、少しずつ練習してみよう」
「全部できなくても、一部分ならできるかもしれない」
そんなふうに、次の選択肢が見えてくることがあります。
言葉を変えるというのは、無理に
「できる!絶対できる!」
と思い込むことではありません。
「できない」で終わらせず、
「どうすればできるだろう?」
と、次の一歩につながる言葉に変えることなのです。
「もう遅い」を「今だからできる」に
年齢やタイミングを理由に、
「もう遅い」
と思ってしまうこともあります。
「もっと若ければ」
「もっと早く始めていれば」
「あのとき決断していれば」
過去を振り返ると、そう思うこともあるでしょう。
でも、過去に戻ることはできません。
だからこそ、
「もう遅い」
という言葉を、
「今の私だからできることは何だろう?」
に切り替えてみる。
以前の自分には分からなかったことが、今なら分かるかもしれません。
経験があるからこそ選べる道もあります。
遠回りしたからこそ、見える景色もあります。
「遅い」と決めてしまえば、そこで終わります。
でも、
「今だからできることがあるかもしれない」
と思えば、未来に目を向けることができます。
「失敗した」ではなく「経験した」
失敗したときも、言葉を少し変えてみましょう。
「失敗した」
ではなく、
「経験した」
と捉えてみる。
もちろん、失敗したときに悔しい気持ちになるのは当然です。
反省することも必要です。
でも、失敗したという事実だけで、
「私はダメな人間だ」
という結論まで出す必要はありません。
うまくいかなかった。
だから、
「何が原因だったのか」
「何が分かったのか」
「次は何を変えてみようか」
と考えていく。
失敗そのものは変えられなくても、
その経験にどんな意味を持たせるかは、自分で変えることができます。
自分への言葉は、完璧に変えなくていい
ここで大切なのは、
「今日から絶対にネガティブなことを言わない」
と決めないことです。
そんなことをしたら、今度は、
「ネガティブになってしまった」
「また悪いことを考えてしまった」
と、自分を責めることになってしまいます。
それでは本末転倒です。
落ち込む日があってもいい。
弱音を吐く日があってもいい。
「もう嫌だ」と思う日があってもいい。
大切なのは、その言葉だけで自分を決めつけないこと。
「今日はつらいんだな」
「今は自信がないんだな」
「ちょっと疲れているのかもしれない」
と、もう一つ言葉を添えてあげる。
それだけでも十分です。
「自分を責める言葉」を「自分を支える言葉」へ
たとえば、
「何をやってもダメ」
と思ったら、
「今はうまくいっていないだけ」
に。
「私には無理」
と思ったら、
「まだ方法が見つかっていないだけ」
に。
「また失敗した」
と思ったら、
「ここから学べることは何だろう?」
に。
「もっと頑張らなきゃ」
と思ったら、
「今の私に必要なのは、頑張ること? それとも休むこと?」
に。
ほんの少し言葉を変えるだけで、
自分に向けるまなざしも変わります。
言葉は、未来への方向を決める
言葉には、自分の意識を向ける方向を決める力があります。
「どうして私はできないんだろう」
と問い続ければ、
できない理由を探しやすくなります。
一方で、
「どうしたら少し楽になれるだろう?」
と問いかければ、
楽になる方法を探し始めます。
「何が悪かったんだろう?」
だけではなく、
「ここから何ができるだろう?」
と考えてみる。
すると、同じ出来事を経験していても、次に取る行動が変わってくることがあります。
言葉を変えるということは、
現実を無理やり変えることではありません。
自分の意識を向ける方向を変えること。
そして、その先の行動を少し変えていくことなのです。
今日からできる「言葉の切替」
今日は一日、自分がどんな言葉を使っているか、少しだけ意識してみてください。
「無理」
「できない」
「もう遅い」
「面倒くさい」
「私なんて」
そんな言葉が出てきたら、
「本当にそうかな?」
と、一度立ち止まってみる。
そして、
「別の言い方をするとしたら?」
と考えてみましょう。
たとえば、
「無理」
↓
「今は難しい」
「できない」
↓
「まだできる方法を知らない」
「もう遅い」
↓
「今からできることを探してみよう」
「私なんて」
↓
「私にもできることがある」
「頑張らなきゃ」
↓
「今できることを一つやってみよう」
言葉を変えるだけで、心が少し呼吸しやすくなることがあります。
自分にかける言葉は、自分で選べる
誰かから言われた言葉は、すぐには変えられないかもしれません。
過去に言われて傷ついた言葉が、心に残っていることもあるでしょう。
でも、
これから自分が自分にかける言葉は、
少しずつ選び直すことができます。
「もっと頑張れ」
だけではなく、
「よく頑張っているね」
と言ってあげる。
「なんでできないの?」
ではなく、
「どうしたらできるかな?」
と聞いてあげる。
「もうダメだ」
ではなく、
「今日はここまで。続きは明日考えよう」
と言ってあげる。
自分を一番近くで支えられるのは、
他の誰でもない、
自分自身なのかもしれません。
言葉が変わると、心の景色も変わる
人生の現実が、言葉を変えただけですべて思い通りになるわけではありません。
つらいことが、急に消えるわけでもありません。
でも、
同じ出来事を見たときに、
自分を責めるのか。
自分を励ますのか。
そこで何かを学ぼうとするのか。
次の一歩を探すのか。
その違いは、少しずつ未来に影響していきます。
だから、無理に前向きな言葉を使わなくても大丈夫。
今の自分に本当に必要な言葉を選んであげる。
それだけでいいのです。
「切替」は、
気持ちを無理やり変えることでも、
何でもポジティブに考えることでもありません。
考え方を少し変え、
言葉を少し変え、
その言葉によって、
自分の心との付き合い方を少し変えていく。
そんな小さな積み重ねも、
人生の流れを変えるきっかけになります。
今日、自分にかけた言葉を
ひとつだけ思い出してみてください。
その言葉を、
もし大切な友人にかけるとしたら、
同じ言葉をかけるでしょうか?
もし「もう少し優しい言葉をかけたい」と思ったなら、
明日は、その言葉を少しだけ変えてみる。
「大丈夫」
「よくやっているよ」
「今は休んでもいい」
「一つずつでいい」
「ここから考えていこう」
そんな言葉でもいいのです。
人生を変えるような大きな言葉でなくても、
今日の自分を少し支えてくれる言葉があればいい。
自分にかける言葉を変える。
それは、
自分の未来に向けて、
新しい言葉を選び直すこと。
その小さな「言葉の切替」から、
新しい流れが始まることもあるのです。
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